心理的安全性とは?チームで本音を話せる職場を作る考え方

心理的安全性とは?チームで本音を話せる職場を作る考え方

心理的安全性とは、チームの中で質問や相談、反対意見、ミスの共有をしても、責められたり不利に扱われたりしないと感じられる状態のことです。

職場で本音を話せない、ミスを報告しにくい、会議で意見が出ないといった悩みは、心理的安全性と関係している可能性があります。

この記事では、心理的安全性の意味や、低い職場で起こること、高い職場の特徴、高める方法を初心者にもわかりやすく解説します。

何でも許す職場や仲良しだけの職場との違いもまとめました。

目次

心理的安全性とは何か

心理的安全性の意味

心理的安全性とは、チームの中で自分の考えや疑問、不安、失敗を話しても、すぐに責められたり、ばかにされたり、不利に扱われたりしないと感じられる状態です。

たとえば、会議で「私は少し違う意見です」と言える。

わからないことを「ここが理解できていません」と質問できる。

ミスをしたときに、隠さず早めに報告できる。

このような行動が自然にできる職場は、心理的安全性が高い状態に近いと言えます。

反対に、何か言うたびに否定される、質問すると怒られる、ミスを共有すると強く責められる職場では、心理的安全性は低くなります。

心理的安全性は、単なる気分の良さではありません。

仕事で必要な情報を出し合い、問題を早めに見つけ、チームで改善していくための土台です。

Edmondsonの研究では、心理的安全性はチームの学習行動と関係する概念として扱われています。

仕事では、誰か一人がすべてを正しく判断できるわけではありません。

だからこそ、メンバーが気づいたことを言いやすい状態が必要です。

心理的安全性は、チームが学び続けるための基本的な条件だと考えるとわかりやすいです。

対人リスクを恐れず発言できる状態

心理的安全性の本質は、対人リスクを恐れず発言できることです。

対人リスクとは、人にどう思われるかに関わるリスクです。

たとえば、「こんな質問をしたら無知だと思われるかもしれない」「反対意見を言ったら面倒な人だと思われるかもしれない」「ミスを報告したら評価が下がるかもしれない」といった不安です。

仕事では、この対人リスクが大きいと、本当は言った方がよいことでも黙ってしまいます。

小さな違和感を言わない。

ミスを隠す。

わからないまま進める。

会議で賛成したふりをする。

こうした行動が増えると、問題の発見が遅れます。

Edmondsonは、心理的安全性を、対人リスクを取っても安全であるというチーム内の共有された信念として説明しています。

ここで大切なのは、心理的安全性が個人の性格だけで決まるものではないという点です。

もともと発言が得意な人もいれば、慎重な人もいます。

しかし、職場の反応がいつも否定的なら、誰でも発言しにくくなります。

反対に、質問や報告を歓迎する空気があれば、発言が苦手な人も少しずつ話しやすくなります。

心理的安全性は、チームの反応の積み重ねで作られます。

仲が良い職場とは少し違う

心理的安全性は、仲が良い職場とは少し違います。

もちろん、関係が悪いよりは、良い関係の方が話しやすいです。

しかし、仲が良いだけでは十分ではありません。

たとえば、普段は楽しく雑談できる職場でも、仕事の問題点を指摘できない場合があります。

みんなで仲良くすることを優先しすぎて、厳しい話を避けてしまうこともあります。

反対意見を出すと空気が悪くなるため、会議では何も言わない。

ミスに気づいても、相手に悪いと思って伝えない。

このような状態は、表面上は穏やかでも、心理的安全性が高いとは言えません。

心理的安全性がある職場では、意見の違いを話し合えます。

必要な指摘もできます。

失敗を責めるのではなく、改善につなげることができます。

Psychsafety.comは、心理的に安全なチームは、対立や挑戦がないチームではなく、恥や報復を恐れずに正直に対立や挑戦ができるチームだと説明しています。

心理的安全性は、ただ優しい空気を作ることではありません。

率直に話しても関係が壊れにくい土台を作ることです。

チームで注目される理由

心理的安全性がチームで注目される理由は、仕事が一人では完結しにくくなっているからです。

多くの仕事では、複数の人が情報を持ち寄り、相談しながら進めます。

営業、開発、マーケティング、人事、カスタマーサポートなど、どの仕事でもチーム内の情報共有は重要です。

もし心理的安全性が低いと、メンバーは問題を隠しやすくなります。

質問や相談が遅れます。

反対意見が出なくなります。

その結果、ミスの発見が遅れたり、改善の機会を逃したりします。

一方で、心理的安全性があるチームでは、問題を早めに共有しやすくなります。

わからないことを聞けるため、手戻りも減らしやすくなります。

意見の違いを話し合えるため、判断の質も上がりやすくなります。

Googleのre:Workは、効果的なチームに関する調査で、心理的安全性、相互信頼、構造と明確さ、仕事の意味、仕事のインパクトを重要な要素として紹介しています。

チームで成果を出すには、メンバーがただ集まるだけでは足りません。

必要なことを言い合える関係が必要です。

その土台として、心理的安全性が注目されています。

初心者が最初に押さえるべき考え方

初心者が最初に押さえるべきなのは、心理的安全性は「甘い職場」を作ることではないということです。

心理的安全性が高い職場でも、仕事の基準は必要です。

成果への責任もあります。

改善のためのフィードバックもあります。

ただし、言い方や反応が違います。

ミスをした人を責めるのではなく、なぜ起きたのかを確認する。

質問した人をばかにするのではなく、確認してくれたことを前向きに受け止める。

反対意見をつぶすのではなく、理由を聞いて判断材料にする。

これが心理的安全性のある関わり方です。

また、心理的安全性は一度の研修やスローガンだけで作られるものではありません。

日々の会議、1on1、チャット、報告への反応、ミスが起きたときの対応で少しずつ作られます。

リーダーだけでなく、メンバー全員の行動も関係します。

初心者はまず、「この職場では質問しても大丈夫」「問題を早めに言っても責められない」「違う意見も聞いてもらえる」と感じられる状態を目指しましょう。

その積み重ねが、チームで本音を話せる土台になります。

心理的安全性が低い職場で起こること

ミスや問題を隠しやすくなる

心理的安全性が低い職場では、ミスや問題を隠しやすくなります。

なぜなら、報告したときに強く責められる、評価が下がる、周りにばかにされると感じるからです。

もちろん、ミスを防ぐことは大切です。

しかし、ミスが起きたあとに隠されてしまうと、問題は大きくなります。

早めに共有されていれば小さく直せたことが、後から大きなトラブルになることもあります。

たとえば、納期に間に合わない可能性があるのに、怒られるのが怖くて言えない。

お客様への連絡ミスに気づいたのに、上司に報告できない。

システム上の不具合に気づいたのに、自分の責任にされるのが嫌で黙ってしまう。

このような状態では、チームは正しい判断ができません。

心理的安全性がある職場では、ミスの報告を「責める材料」ではなく「改善の材料」として扱います。

「誰が悪いか」だけで終わらせず、「なぜ起きたのか」「次にどう防ぐか」を考えます。

ミスをゼロにすることは難しいです。

だからこそ、早めに共有できる職場を作ることが重要です。

質問や相談がしにくくなる

心理的安全性が低いと、質問や相談がしにくくなります。

「こんなことを聞いたら怒られるかもしれない」

「前にも説明したと言われるかもしれない」

「自分で考えろと言われるかもしれない」

このような不安があると、部下やメンバーは質問をためらいます。

その結果、わからないまま仕事を進めてしまいます。

後から手戻りが発生することもあります。

確認すればすぐに解決したことが、長い時間の悩みになることもあります。

特に、新人や異動直後のメンバーは、質問できるかどうかで仕事の進み方が大きく変わります。

質問しにくい職場では、学ぶ機会が減ります。

相談が遅れるため、上司も状況をつかみにくくなります。

質問しやすい職場を作るには、質問されたときの反応が重要です。

「聞いてくれてよかったです」

「早めに確認できて助かりました」

「一緒に整理しましょう」

このような反応があると、次も質問しやすくなります。

心理的安全性は、特別な制度だけでなく、日々の小さな返し方で変わります。

反対意見を言いにくくなる

心理的安全性が低い職場では、反対意見を言いにくくなります。

会議で違和感があっても、上司や多数派に合わせて黙ってしまうことがあります。

「空気を悪くしたくない」

「面倒な人だと思われたくない」

「上司に逆らっていると思われたくない」

こうした不安があると、必要な意見も出なくなります。

しかし、チームで仕事をする以上、意見の違いは自然です。

むしろ、違う視点があるからこそ、見落としを減らせます。

たとえば、営業の視点では良い施策でも、現場運用では負担が大きいことがあります。

開発側では可能に見えても、カスタマーサポート側では問い合わせが増える可能性があります。

若手だからこそ気づく使いにくさもあります。

反対意見を言えない職場では、こうした情報が出てきません。

結果として、決定の質が下がることがあります。

心理的安全性がある職場では、反対意見を人格否定として扱いません。

「なぜそう考えたのか」

「どのリスクを見ていますか」

「別の案はありますか」

このように内容に向き合います。

反対意見は、チームを困らせるものではなく、判断を良くする材料にもなります。

挑戦より失敗回避を優先しやすくなる

心理的安全性が低い職場では、挑戦より失敗回避を優先しやすくなります。

新しいことを試して失敗すると強く責められる。

前例のない提案をすると否定される。

改善案を出しても「余計なことをするな」と言われる。

このような経験があると、メンバーは挑戦しなくなります。

失敗しないこと、怒られないこと、目立たないことを優先するようになります。

一見すると、ミスが少なく落ち着いた職場に見えるかもしれません。

しかし、実際には改善や学びが止まっていることがあります。

新しいアイデアが出ない。

問題を見つけても放置される。

前例通りのやり方から抜け出せない。

このような状態になりやすくなります。

心理的安全性は、無計画な挑戦をすすめるものではありません。

大切なのは、小さく試し、結果を共有し、学びにつなげることです。

失敗を責めるのではなく、次にどう活かすかを考える職場では、メンバーは改善に向かいやすくなります。

挑戦を増やしたいなら、失敗したときの扱い方を見直す必要があります。

チームの学びが止まりやすくなる

心理的安全性が低い職場では、チームの学びが止まりやすくなります。

学びとは、研修を受けることだけではありません。

日々の仕事の中で、うまくいったこと、失敗したこと、気づいたことを共有し、次に活かすことです。

ミスを隠す。

質問しない。

反対意見を言わない。

困っていることを相談しない。

このような状態では、チームは学べません。

問題が見えないため、改善もできません。

Edmondsonの研究では、チーム心理的安全性が学習行動に関係するモデルが示されています。

学習行動には、フィードバックを求めること、情報を共有すること、助けを求めること、失敗について話すことなどが含まれます。

つまり、心理的安全性が低いと、チームが学ぶための行動が起こりにくくなります。

チームの成長には、情報の流れが必要です。

良い情報だけでなく、悪い情報、わからないこと、困っていることも共有される必要があります。

心理的安全性は、チームが学び続けるための空気を作ります。

心理的安全性が高い職場の特徴

わからないことを質問しやすい

心理的安全性が高い職場では、わからないことを質問しやすいです。

質問することが、無能の証明ではなく、仕事を正しく進めるための行動として受け止められます。

たとえば、新人が手順を確認する。

中堅社員が判断に迷った点を相談する。

ベテランでも新しいツールについて質問する。

このような行動が自然にできる職場は、学びが進みやすくなります。

質問しやすい職場では、上司や先輩の反応が大切です。

「そんなことも知らないの」と言うのではなく、「確認してくれて助かります」と返す。

「自分で考えて」と突き放すのではなく、「まずどこまで考えましたか」と一緒に整理する。

こうした反応があると、質問は続きます。

もちろん、何でもすぐに聞けばよいわけではありません。

自分で考えることも大切です。

しかし、質問しにくい空気が強すぎると、確認不足が増えます。

心理的安全性が高い職場では、自分で考えることと、必要なときに質問することの両方が大切にされます。

ミスを早めに共有できる

心理的安全性が高い職場では、ミスを早めに共有できます。

これは、ミスを軽く扱うという意味ではありません。

ミスを隠さず、早く対応し、原因を確認し、再発を防ぐためです。

たとえば、納期に遅れる可能性が出たら早めに共有する。

お客様への案内に誤りがあったらすぐに報告する。

システムの不具合に気づいたら、関係者に伝える。

こうした行動ができると、被害を小さくしやすくなります。

反対に、ミスを報告すると怒鳴られる職場では、メンバーは隠したくなります。

隠されたミスは、後で大きくなります。

ミスを早めに共有できる職場では、上司の第一声が重要です。

「報告してくれてありがとう」

「まず状況を確認しましょう」

「次に何をすればよいか整理しましょう」

このような反応があると、メンバーは次も早めに報告しやすくなります。

ミスへの対応は、心理的安全性を作る大きな場面です。

責めるより、早く事実を出し、改善に向かう姿勢が大切です。

意見の違いを話し合える

心理的安全性が高い職場では、意見の違いを話し合えます。

全員が同じ意見である必要はありません。

むしろ、立場や経験が違えば、見えるものも違います。

営業担当者はお客様の反応をよく知っています。

現場担当者は運用の負担を知っています。

管理職は全体の方針を見ています。

若手はユーザーに近い感覚を持っていることがあります。

こうした違いを話し合えると、判断の質は上がりやすくなります。

心理的安全性が高い職場では、反対意見を「攻撃」として受け取りません。

「別の視点が出た」と考えます。

大切なのは、発言した人ではなく、意見の中身に向き合うことです。

「なぜそう考えたのですか」

「どんなリスクを見ていますか」

「代わりにどんな案がありますか」

このように聞くと、対立ではなく検討になります。

意見の違いを話し合える職場は、表面的な仲良しではありません。

必要なことを率直に話せる職場です。

上司やリーダーが話を聞く姿勢を持っている

心理的安全性が高い職場では、上司やリーダーが話を聞く姿勢を持っています。

リーダーの反応は、チームの空気に大きく影響します。

メンバーが意見を言ったときに、すぐに否定する。

質問した人を責める。

都合の悪い報告を嫌がる。

このような反応が続くと、チームは話さなくなります。

反対に、リーダーが話を聞く姿勢を持っていると、メンバーは発言しやすくなります。

最後まで聞く。

理由を確認する。

わからないことは質問する。

都合の悪い情報も受け止める。

発言してくれたことに感謝する。

こうした行動が、心理的安全性の土台になります。

Googleのre:Workでも、チームの効果性を高める要素として心理的安全性が示されており、チームメンバーがリスクを取っても安全だと感じる状態が説明されています。

リーダーは、すべての意見を採用する必要はありません。

しかし、話を聞き、判断理由を伝えることは必要です。

聞いてもらえた経験が、次の発言につながります。

改善のためのフィードバックがしやすい

心理的安全性が高い職場では、改善のためのフィードバックがしやすくなります。

フィードバックとは、相手を責めることではありません。

仕事をより良くするために、事実や改善点を伝えることです。

たとえば、「この資料はだめです」と言うのではなく、「結論を先に置くと、読み手が理解しやすくなります」と伝える。

「対応が悪い」と言うのではなく、「返信が遅れた理由と、次回の確認方法を整理しましょう」と伝える。

このように、行動に焦点を当てると、相手は受け取りやすくなります。

心理的安全性が低い職場では、フィードバックが攻撃として受け取られやすいです。

また、言う側も「嫌われたくない」と思って指摘を避けることがあります。

その結果、改善の機会が失われます。

心理的安全性が高い職場では、フィードバックは成長のための会話になります。

良かった点も伝える。

改善点も具体的に伝える。

次にどうするかを一緒に考える。

この流れがあると、フィードバックは怖いものではなくなります。

心理的安全性を高める方法

上司が完璧なふりをしない

心理的安全性を高めるには、上司が完璧なふりをしないことが大切です。

上司がいつも正解を持っているようにふるまうと、メンバーは弱みを見せにくくなります。

「わからない」と言いにくくなります。

「失敗しました」と報告しにくくなります。

「違う意見があります」と言いにくくなります。

もちろん、上司が何も考えずに頼りない姿を見せればよいという意味ではありません。

大切なのは、わからないことや改善すべきことを認める姿勢です。

たとえば、「この点は私もまだ判断に迷っています」

「前回の進め方は改善が必要でした」

「みなさんの意見を聞きたいです」

このように言えると、メンバーも話しやすくなります。

上司が完璧なふりをやめると、チームは「わからないことを出してもよい」と感じやすくなります。

心理的安全性は、リーダーの言葉だけではなく、行動で伝わります。

自分のミスを認める。

質問を受け止める。

反対意見を聞く。

こうした行動が、チームの発言しやすさを作ります。

質問や相談を歓迎する反応をする

心理的安全性を高めるには、質問や相談を歓迎する反応が必要です。

メンバーが質問したとき、上司や先輩がどう返すかで、その後の空気は変わります。

「前にも言ったよね」

「自分で考えて」

「そんなこともわからないの」

このような反応が続くと、質問は減ります。

表面上は静かになりますが、実際には理解不足や不安が隠れるだけです。

質問や相談を歓迎するには、まず第一声を変えましょう。

「聞いてくれてよかったです」

「早めに相談してくれて助かりました」

「一緒に整理しましょう」

このような言葉があると、相手は安心しやすくなります。

もちろん、同じ質問が何度も続く場合は、仕組みを見直す必要があります。

説明資料がわかりにくいのか。

手順が複雑なのか。

確認する場所がないのか。

質問した人だけを責めるのではなく、質問が生まれる原因も考えましょう。

質問や相談は、チームが学ぶための入口です。

歓迎する反応を積み重ねることで、心理的安全性は少しずつ高まります。

ミスを責めずに原因と対策を考える

心理的安全性を高めるには、ミスを責めずに原因と対策を考える姿勢が必要です。

ミスが起きたときに、すぐ人を責めると、次から報告されにくくなります。

「なぜできなかったの」

「誰の責任ですか」

「前にも言いましたよね」

このような言葉だけでは、問題の本当の原因が見えにくくなります。

大切なのは、事実を確認することです。

何が起きたのか。

どの時点で判断に迷ったのか。

情報は足りていたのか。

確認手順はあったのか。

誰に相談すればよかったのか。

このように整理すると、次の対策が見えてきます。

たとえば、チェックリストを作る。

相談タイミングを決める。

確認担当を明確にする。

手順書を更新する。

レビュー工程を増やす。

ミスは、個人だけの問題とは限りません。

仕組みや情報共有に原因がある場合もあります。

心理的安全性がある職場では、ミスを隠すのではなく、学びに変えることを目指します。

責めるより、次に同じことが起きにくくなる方法を考えましょう。

発言した人を否定せず内容に向き合う

心理的安全性を高めるには、発言した人を否定せず、内容に向き合うことが大切です。

会議で意見が出たときに、「それは違う」「現場をわかっていない」「無理です」とすぐに返すと、発言しにくくなります。

意見に賛成できないことはあります。

しかし、発言した人を否定する必要はありません。

まずは、内容を確認しましょう。

「そう考えた理由を教えてください」

「どの部分にリスクを感じていますか」

「もう少し具体的に聞かせてください」

このように聞くと、意見の背景が見えてきます。

そのうえで、採用するかどうかを判断すればよいです。

すべての意見を採用する必要はありません。

大切なのは、発言しても頭ごなしに否定されないことです。

発言が安全だと感じられれば、メンバーは気づいたことを言いやすくなります。

反対意見や違和感は、チームの判断を良くする材料になることがあります。

心理的安全性を高めたいなら、意見の中身と発言者の人格を分けて扱いましょう。

1on1や会議で話しやすい場を作る

心理的安全性を高めるには、1on1や会議で話しやすい場を作ることも重要です。

「何でも言ってください」と言うだけでは、なかなか本音は出ません。

話しやすくするには、場の設計が必要です。

たとえば、1on1では進捗確認だけで終わらせないようにします。

困っていることはありますか。

最近、相談しにくいことはありますか。

仕事の進め方で変えた方がよい点はありますか。

今の目標で不安な点はありますか。

このような質問をすると、相手は話しやすくなります。

会議では、発言する人が偏らないように工夫します。

最初に全員から一言ずつ意見を聞く。

チャットやメモで意見を出してから話す。

反対意見を歓迎する時間を作る。

会議後に追加意見を出せるようにする。

このような工夫も有効です。

ただし、意見を集めるだけで放置すると、信頼は下がります。

出た意見に対して、どう扱ったのかを伝えることが大切です。

話しやすい場は、聞く姿勢とその後の対応で作られます。

心理的安全性を勘違いしないための注意点

何でも許す職場ではない

心理的安全性は、何でも許す職場を意味しません。

遅刻してもよい。

ミスをしても反省しなくてよい。

成果を出さなくてもよい。

責任を持たなくてもよい。

このような状態は、心理的安全性ではありません。

心理的安全性が高い職場でも、仕事の基準はあります。

守るべきルールもあります。

成果への責任もあります。

違いは、問題が起きたときの扱い方です。

責めるだけで終わるのではなく、原因を確認し、改善につなげる。

人格を否定するのではなく、行動や仕組みに焦点を当てる。

黙らせるのではなく、必要な情報を出せるようにする。

これが心理的安全性のある職場です。

心理的安全性と責任は、対立するものではありません。

むしろ、安心して問題を話せるからこそ、責任ある行動が取りやすくなります。

何でも許す職場を目指すのではなく、必要なことを率直に話せる職場を目指しましょう。

厳しい意見を言わないことではない

心理的安全性は、厳しい意見を言わないことではありません。

むしろ、必要な厳しい意見を安全に言えることが大切です。

たとえば、資料の内容がわかりにくい。

提案の根拠が弱い。

納期の見通しが甘い。

お客様への説明が不十分だった。

こうした指摘は、仕事を良くするために必要です。

心理的安全性が低い職場では、厳しい意見が攻撃のように伝わることがあります。

また、言われた側も強く防御してしまいます。

心理的安全性がある職場では、厳しい意見も「改善のための情報」として扱いやすくなります。

大切なのは、言い方です。

「あなたはだめです」ではなく、「この部分は根拠を追加した方が伝わります」と伝える。

「またミスしたのですか」ではなく、「どの工程で確認が抜けたか見てみましょう」と伝える。

厳しい意見を避けることは、優しさとは限りません。

相手やチームの成長を考えるなら、必要なことを丁寧に伝えることも大切です。

仲良しだけを目指さない

心理的安全性を高めると聞くと、仲良しの職場を作ることだと考える人がいます。

しかし、心理的安全性は仲良しだけを目指すものではありません。

雑談が多い。

雰囲気が明るい。

飲み会が多い。

みんなが仲良く話している。

これだけでは、心理的安全性が高いとは言えません。

本当に大切なのは、仕事に必要なことを言えるかどうかです。

反対意見を出せるか。

ミスを共有できるか。

質問できるか。

上司に不安を相談できるか。

改善点を伝えられるか。

ここが重要です。

仲が良い職場でも、波風を立てたくないから問題を言わない場合があります。

それでは、チームの学びは進みにくくなります。

心理的安全性は、仲良くすることを否定するものではありません。

ただし、仲の良さだけを目標にしないことが大切です。

率直に話しても関係が壊れにくい状態を目指しましょう。

責任や成果をあいまいにしない

心理的安全性を高めるときは、責任や成果をあいまいにしないことも大切です。

安心して話せる職場であっても、誰が何を担当するのか、何を目指すのかがあいまいだと、仕事は進みにくくなります。

たとえば、目標が不明確。

役割分担があいまい。

期限が決まっていない。

判断基準が共有されていない。

このような状態では、心理的安全性があっても成果につながりにくいです。

Googleのre:Workでも、効果的なチームの要素として、心理的安全性に加えて、構造と明確さ、意味、インパクトなどが紹介されています。

つまり、安心して話せることと、仕事の方向が明確であることは、どちらも大切です。

心理的安全性があるからといって、何をしてもよいわけではありません。

むしろ、安心して話せるからこそ、役割や目標についても率直に確認できます。

責任や成果をあいまいにせず、必要な対話をしながら仕事を進めましょう。

安心して率直に話せる状態を目指す

心理的安全性で目指すべきなのは、安心して率直に話せる状態です。

安心だけでも足りません。

率直さだけでも足りません。

安心がなければ、人は本音を出しにくくなります。

率直さがなければ、問題が見えにくくなります。

大切なのは、両方があることです。

たとえば、ミスを報告しても人格を否定されない。

反対意見を出しても話を聞いてもらえる。

質問してもばかにされない。

改善点を伝えても関係が壊れない。

このような状態があると、チームは学びやすくなります。

心理的安全性は、やさしい言葉だけで作られるものではありません。

日々の反応で作られます。

聞く姿勢。

ミスへの対応。

会議での発言の扱い。

1on1での質問。

上司が完璧なふりをしない姿勢。

これらが積み重なって、チームの空気になります。

心理的安全性を高める目的は、ただ居心地を良くすることではありません。

チームが問題を早めに見つけ、学び、より良い成果につなげるためです。

まとめ

心理的安全性とは、チームの中で質問、相談、反対意見、失敗の共有などをしても、責められたり、ばかにされたり、不利に扱われたりしないと感じられる状態です。

Edmondsonは、心理的安全性を、チームが対人リスクを取っても安全だという共有された信念として説明しています。

心理的安全性が低い職場では、ミスや問題を隠しやすくなります。

質問や相談がしにくくなります。

反対意見を言いにくくなります。

挑戦より失敗回避を優先しやすくなります。

その結果、チームの学びが止まりやすくなります。

一方で、心理的安全性が高い職場では、わからないことを質問しやすく、ミスを早めに共有でき、意見の違いを話し合えます。

上司やリーダーが話を聞く姿勢を持ち、改善のためのフィードバックもしやすくなります。

心理的安全性を高めるには、上司が完璧なふりをしないことが大切です。

質問や相談を歓迎し、ミスを責めずに原因と対策を考え、発言した人ではなく内容に向き合いましょう。

1on1や会議で話しやすい場を作ることも重要です。

ただし、心理的安全性は何でも許す職場ではありません。

厳しい意見を言わないことでも、仲良しだけを目指すことでもありません。

責任や成果をあいまいにせず、安心して率直に話せる状態を目指すことが大切です。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次